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子どもの時から大学院の研究室にいる時まで、夜食などで当社の『サッポロ一番』をよく食べていて、当社ならば世の中に広く認知される商品を作れるのでは、と興味を持ちました。説明会で「マーケティング部の依頼を受け、その発案を開発するのが開発部」という説明を受け、発案を商品に落とし込み具現化するのは面白いと感じたのです。開発は大きく麺、加薬、スープ、容器、分析の5分野があり、その中で私は麺を担当しています。新商品に向けた新規麺の開発もあれば、既存麺の改良もあります。マーケティング部から依頼を受けて開発にかかりますが、基本的に各分野一人に任され、自由裁量ながらも責任を抱えながらの試行錯誤が始まります。何回試作しても、納得のいくおいしいと感じられる麺ができない時が苦労するところ。ラボの段階でうまくいったと思っても、工場でテストすると見た目や食感も違ったりします。またフライ麺やノンフライ麺から始まり、インパクトのある太麺、スープとからむ細麺など多様な種類があり、それらとスープや加薬の相性などを考え、マーケティング担当者や上司に食べてもらって味や見た目、食感などの確認を取ります。そこから当社の工場で生産に移りますが、作る際には必ず立ち会い、確認作業を行います。
カップ焼そばを依頼された時は、今までにない太さ・量・形の「刀削麺風で」という要求があり、何度も試作を繰り返した末にラボ内では納得いくものができました。ただ生産に移ると、食感は良いものの重さにばらつきが出て、生産性に問題が発生しました。現場のライン長にも相談して、麺を切断する機械に工夫を求めたり、重さを均一に出すための知恵を絞りました。ライン上で改良したい点を見つけて製造本部など他部署と掛け合い、製造ラインの改良に成功。その結果、無事に商品を市場に送り出すことができました。心が折れそうになっても、苦労した商品が店頭に並ぶと本当に嬉しいものです。また諦めなければ必ず答えはあることを実感。そのためには頭で考えるだけでなく、手を使って何度も試作し現場に入ってラインを見て触って考える、何度もトライすることで答えはぼんやり見えて来て、次第にゴールが明確になることを感じました。私は熊本の農家の出なのですが、長男であるのに自由に好きな仕事を選ばせてくれた家族に今も感謝の念があります。この商品が市場に出た時もすぐに知らせて喜んでもらいました。今後も新たな商品をつくって、実家に自慢の息子が頑張っているという知らせを届けられたら最高。同時にお昼ご飯や夜食としてなど様々なシーンで食べる人に感動・驚きが生まれるような商品を作っていきたいです。まだ技術的知識は不足しているので、麺の知識に加え機械にも精通することで当社を背負う開発の第一人者になっていきたいと思います。
セミナーの情報や お申し込み方法などは こちらで公開いたします。